先月下旬、元日本代表監督のアルベルト・ザッケローニ氏(イタリア出身)が特別選考で日本サッカー殿堂入りをした。
日本サッカー界への貢献を評価しての受賞という事であろうが、約4年間の実績としては2011年のアジアカップ優勝のみで、2014年のブラジルW杯でのグループステージ敗退の印象が強い。
しかし、世界的な名声で言えば1995年にウディネーゼの監督に就任し、当時は地方の中堅クラブだったチームを上位に導く手腕を発揮した事だろう。
彼の戦術である3-4-3もしくは4-3-3は、攻撃的でありながら守備も安定したシステムで、クラブはイタリア・セリエAで上位に食い込む活躍。
特に1997-98シーズンにはリーグ3位にまで成績を押し上げ、ザッケローニの手腕が世界的に評価される。
この成功によりイタリア国内外での知名度が高まり、ビッグクラブからの注目を集めその後ACミランに引抜かれることとなる。
ACミラン以降のクラブでは低評価が続き2010年日本代表就任となる。
そもそも日本サッカー殿堂自体が馴染みがなく、大きく報道されることがない昨今。
「日本サッカー殿堂って何?」
ファンにはわかりにくい選考基準など不明な点がある。
特別選考は通常の選考基準では評価しきれない特別な功績や貢献を認める事らしいが疑問はやはり残る。
目的
日本サッカー殿堂は、サッカー界の発展に大きく貢献した人物やチームを対象に、その功績を讃えるために設立。
創設
日本サッカー殿堂は2005年に創設。
日本サッカーの発展に尽力した功労者を称えることを目的。
選出対象と方法 *日本サッカー協会HP参照
選出対象は主に以下の2つのカテゴリーに分類
- 投票選考
- 日本サッカーに長年にわたって顕著な貢献をした者
- 選考時に満60歳以上の者
- 投票方式は1人2票の記名投票で、原則として得票率75%以上の者が推薦されて選出される。一方で得票率が10%未満の者、初回の名簿掲載を含め3回以内に75%以上の得票を得られなかった者は候補者名簿から除外
- 特別選考 *殿堂委員会に推薦されて選出
- プレーヤー以外で顕著な貢献をした者
- 委員会が特に認める顕著な活躍をしたプレーヤー
- 日本サッカー協会歴代会長
殿堂委員会 *日本サッカー協会HP参照
- 殿堂委員会は、委員長と11名以下の委員で構成
- 委員長および委員の選出方法、任期、その他の組織運営に関する事項は、各種委員会組織運営規則に基づいて決定
- 殿堂委員会は日本サッカー協会(JFA)の各種委員会組織運営規則第3条第4号に定められた委員会の一つ
- 具体的な選出プロセスや基準は公開されている資料からは明確ではないが、JFAの理事会や関連部門が関係している可能性が高い。
- 委員会のメンバーには、サッカー界の有識者、元選手、メディア関係者などが含まれる可能性があるが公開情報からは現時点では確認できない。
- 殿堂委員会は日本サッカー殿堂の運営や掲額者の選考など重要な役割を担っている。
- 委員会の決定プロセスの透明性を確保しつつ、日本サッカーの発展に貢献した人物を適切に評価し表彰する責任を負う。
まとめ:身内だけの表彰になりかねない
殿堂委員会の委員長(任期2年)は理事会で選出されるとはいえ、慣例的に元JFA会長(現在は宮本恒靖氏)が務めるため「元会長の天下り」と批判されても仕方ない。
日本サッカー界の功労者は多岐にわたるので影の功労者にもスポットライトを当ててほしい。殿堂委員がどのようにして候補者を選定しているのか、その過程も不透明。
広い視野を持って本当の意味での功労者の選出を期待したい。
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