ワールドカップ2030年の開催地は欧州・アフリカ・南米で共同開催

海外サッカー

国際サッカー連盟(FIFA)が臨時総会を開き2030年のワールドカップ開催国がスペイン、ポルトガル、モロッコと決定した。

あわせて2034年の開催国もサウジアラビアと発表された。

2034年W杯開催に意欲を見せていた対抗馬のオーストラリアが断念したことで自動的にサウジアラビアとなった運び。

これでアジア予選がさらに緩くなる可能性が高い。

2030年大会は3大陸6カ国の共同開催ということで選手の疲労負担、および大陸間移動による環境面で批判的な意見もある中での強行決定となった。

*ちなみに次のW杯である2026年大会はアメリカ、カナダ、メキシコの3カ国共催

ピチーチ
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2030年はW杯開催100周年のメモリアルということで南米のアルゼンチン、ウルグアイ、パラグアイの3カ国を加えて各国1試合づつ開催するとのこと。

ワールドカップ歴代開催国

  1. 1930年:ウルグアイ(南米)
  2. 1934年:イタリア(ヨーロッパ)
  3. 1938年:フランス(ヨーロッパ)
  4. 1942年:中止(第二次世界大戦の為)
  5. 1946年:中止(第二次世界大戦の為)
  6. 1950年:ブラジル(南米)
  7. 1954年:スイス(ヨーロッパ)
  8. 1958年:スウェーデン(ヨーロッパ)
  9. 1962年:チリ(南米)
  10. 1966年:イングランド(ヨーロッパ)
  11. 1970年:メキシコ(北米)
  12. 1974年:西ドイツ(ヨーロッパ)
  13. 1978年:アルゼンチン(南米)
  14. 1982年:スペイン(ヨーロッパ)
  15. 1986年:メキシコ(北米)
  16. 1990年:イタリア(ヨーロッパ)
  17. 1994年:アメリカ(北米)
  18. 1998年:フランス(ヨーロッパ)
  19. 2002年:日本・韓国(アジアで共同開催)
  20. 2006年:ドイツ(ヨーロッパ)
  21. 2010年:南アフリカ(アフリカ)
  22. 2014年:ブラジル(南米)
  23. 2018年:ロシア(ヨーロッパ)
  24. 2022年:カタール(中東)
ピチーチ
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あらためて振り返るとサッカーという競技はヨーロッパと南米を中心に回っていることがよくわかる。

共同開催によるメリットとデメリット

メリット

1 経済的負担の分散

ワールドカップの運営には、スタジアムの建設や改修、交通インフラの整備、安全対策、イベント管理など膨大な費用が必要。

ピチーチ
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1カ国で全てを賄うとなると財政負担が膨大となる

共同開催では、これらの費用を複数の国で分散できるため各国の負担が軽減される。

例えば、2002年の日韓共同開催では、日本と韓国がそれぞれスタジアム整備費用を負担し、各国の財政負担を抑えることができた。

特に発展途上国においては、このような分担が開催の現実性を高める要因となる。

2 地域間協力と連帯感意識の強化

ワールドカップの共同開催は政治的、文化的な協力関係を強化する機会となる。

特に隣接する国々の場合、共同開催を通じて地域的な連帯感が深まり国際的な友好関係の構築につながることもある。

例えば、ヨーロッパの国々が共同で開催を行えば、EU内での統合意識が高まり、外交的な対話や経済協力が活発化する可能性がある。

スポーツを通じた国際協力は、政治的な緊張を緩和し共通の目標を追求する基盤となることが多く見られる。

3 観光客増加と経済的普及効果

複数の国での開催により、世界中から観光客を誘致することが可能。

観光客が各国を訪れることで、宿泊施設、飲食業、小売業、交通機関などの産業が活性化。

共同開催では、訪問国が増えるため、観光客の滞在期間が長くなり、複数国での消費が期待。

たとえば、2026年に予定されているアメリカ、カナダ、メキシコの3カ国共同開催では、北米全体での経済波及効果が見込まれている。

4 サッカー文化の普及と発展

共同開催により、サッカー文化が広範囲にわたって普及する可能性があり。

特にサッカーの人気が低い地域や新興国での開催は、スポーツの振興や地元の若者への影響が期待されている。

また共同開催によってより多くの国が注目を集めることで、それぞれの地域でのサッカー人気が高まり、長期的なファン層の拡大につながることがある。

5 既存施設の有効活用

共同開催では、大会後の各国が既存のスタジアムやインフラを活用することが可能。

これにより新規施設建設の必要性が減少し、環境への影響や無駄な支出が抑えられる可能性がある。

例えば、ヨーロッパでは多くの国が高品質のスタジアムを保有しているため、既存施設を活用することで効率的な大会運営が可能となっている。

デメリット

1 運営管理・コスト管理の複雑化

共同開催では、選手、スタッフ、観客の移動が複雑かつ混雑が予想される。

試合会場間の移動距離が増えることで、移動コストや時間が増大し、大会運営における課題が発生する。

たとえば、2026年の北米共同開催では、アメリカ、カナダ、メキシコ間の移動距離が非常に長く、チームやファンにとって移動負担が大きな問題となる。

この結果、移動手段やスケジュール調整が困難となる。

2 規則や法律の違い

複数の国で開催する場合、各国の法律や規制の違いが障害となる。

例えば、税制、ビザ、労働基準、商業規制など、国ごとに異なるルール調整は必須。

これらの違いは、運営費用の増加や手続きの複雑化を招き、スムーズな大会運営を妨げる要因となる。

特に異文化間での調整が求められる場合はトラブルが生じる可能性大。

3 統一感の欠如

単独開催では、観客や視聴者がその国全体の文化や雰囲気を楽しむことができるが、共同開催ではこの一体感が弱まる可能性がある。

複数国での開催により、会場ごとの雰囲気や運営スタイルが異なり、大会全体としての統一感がなくなる可能性がある。

これにより、観客の満足度が低下する。

4 環境面の影響

複数国間での移動が必須となるため、航空機などによる移動が増加し、二酸化炭素排出量が増える。

環境保護が重視される現代において、これは大きなデメリット事項。

特に地理的に広範囲な共同開催では、移動距離が長くなるため、環境への負担がさらに増加する可能性がある。

5 開催国間の利害関係

共同開催では、試合の開催地や資金の分配、収益の割り当てなどでホスト国間に意見の対立が生じる。

例えば、どの国が決勝戦や開幕戦を実施するか、各国の観客動員数に伴う収益をどのように分配するかといった問題が議論の的となる。

これらの対立が解決されない場合、大会全体の成功に影響を及ぼす可能性あり。

総合的な議論

経済的負担の軽減や国際協力の促進など、ポジティブな側面がある一方で運営の複雑化や環境への影響など課題も存在。

共同開催の成功には、参加国間の綿密な協力と調整が不可欠。

2002年の日韓共同開催の経験から、国家間の協力体制の構築や文化的差異の克服が重要であることは以前から指摘されている。

また、近年のFIFAの決定、特に2030年大会の3大陸6カ国での開催計画は疑問符がついてまわる。

大陸をまたぐ移動による環境負荷の増大や、大会の一体感の喪失などが懸念されており、サッカーファンや環境活動家からの批判続出。

一方で、この新しい形式は、より多くの国々にワールドカップ開催の機会を提供し、サッカーのグローバル化をさらに推進する可能性も秘めている。

開催国の多様化は、サッカー文化の世界的な発展と普及に寄与する可能性がある。

将来的には、技術の進歩によって、環境負荷の軽減や運営の効率化が図られる。

例えば、持続可能な交通手段の導入や、デジタル技術を活用した効率的な大会運営などが期待されている。

共同開催の成功には、参加国間の協力はもちろん、FIFAや各国サッカー協会、地域コミュニティ、環境団体など、多様な業界からの協力が必要不可欠。

経済的利益だけでなく、環境への配慮や持続可能性、文化交流の促進など、多角的な視点から共同開催の意味を検討し、その価値を最大化する努力が求められている。

まとめ:金儲けだけのW杯にならないために

ワールドカップの共同開催には、経済的負担の分散や地域間の協力強化などの多くのメリットがある一方で、運営管理の複雑化や環境への影響などの課題も多い。

チケットの高騰も毎回批判の対象とされておりファンファースト、選手ファーストの大会運営とはかけ離れて運営されていると言われても仕方がない。

ピチーチ
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