2026年カナダ・アメリカ・メキシコ3カ国共催のW杯アジア最終予選が各国開始され日本はホームで中国に7−0、アウエーのバーレーン戦も5−0と大勝し幸先のよいスタートを切った。
南米予選ではブラジルがアウエーのパラグアイ戦でまさかの黒星で(0−1)4敗目を喫して南米予選8試合を終えて現在5位と苦戦中。
で、ヨーロッパは?と言うとまだW杯予選は行われておらず、現在はUEFAネイションンズリーグの最中である。
オールドサッカーファンには馴染みの薄い聞きなれない言葉。以前であればユーロ終了後の秋から約1年半かけてヨーロッパでもW杯予選が行われていたけど…
UFEAネイションズリーグとは
ネイションズリーグ(UEFA Nations League)は、欧州サッカー連盟(UEFA)が主催する代表チームによる国際大会。
ヨーロッパのサッカー代表チーム同士の競争を強化し親善試合に代わる公式試合を開催する事が目的。
ヨーロッパ各国の代表チームが競い合う新しいフォーマットとして導入し2018年から19年にかけて開始され初代チャンピオンはポルトガル。
以降2年に1回開催し2020ー21はフランス、2022ー23はスペインがそれぞれ優勝し比較的新しい国際大会で日本では馴染みが薄い。
同じヨーロッパチャンピオンを決める大会ではあるがユーロの方が格上。
UEFAランキングによって最高位のグループA(16カ国)から最下位のグループD(Dのみ6カ国)に分けられて、各リーグはそれぞれ4つにグループ分けされて(グループDのみ2つに分けられる)ホーム&アウエーの試合を開催。
UEFAランキングとは、UEFAに所属するナショナルチームとクラブチームそれぞれの公式戦における成績をもとに算出されるランキングのこと。
各グループ上位1チームのみが上のリーグへと昇格でき反対にグループAとBの最下位チーム(グループCは最下位2チーム)は下のリーグへ降格するという仕組。
ネイションズリーグの特徴
- 昇格・降格システム: 各シーズンごとに成績に基づいて、昇格と降格が行われ各チームのレベルに応じた公平な競争が保たれる。
- 欧州選手権(EURO)とのリンク: ネイションズリーグはEUROの予選にも影響を与える仕組みがあり、ネイションズリーグの成績が良いチームにはEUROのプレーオフ進出権が与えられる。
- 競争の強化: 親善試合に比べて、公式戦としての意義が大きいため、各試合がより真剣なものとなり、ファンにとっては魅力的な大会となりつつある。
2024ー25 UEFAネイションズリーグ組合せ
グループ分けは以下の通り。
・グループA1
クロアチア、ポルトガル、ポーランド、スコットランド
・グループA2
イタリア、ベルギー、フランス、イスラエル
・グループA3
オランダ、ハンガリー、ドイツ、ボスニア・ヘルツェゴヴィナ
・グループA4
スペイン、デンマーク、スイス、セルビア
・グループB1
チェコ、ウクライナ、アルバニア、ジョージア
・グループB2
イングランド、フィンランド、アイルランド、ギリシャ
・グループB3
オーストリア、ノルウェー、スロヴェニア、カザフスタン
・グループB4
ウェールズ、アイスランド、モンテネグロ、トルコ
・グループC1
スウェーデン、アゼルバイジャン、スロバキア、エストニア
・グループC2
ルーマニア、コソボ、キプロス、リトアニア
・グループC3
ルクセンブルク、ブルガリア、北アイルランド、ベラルーシ
・グループC4
アルメニア、フェロー諸島、北マケドニア、ラトビア
・グループD1
ジブラルタル、サンマリノ、リヒテンシュタイン
・グループD2
モルドバ、マルタ、アンドラ
各グループ上位1チームのみが上のリーグへと昇格でき反対にグループAとBの最下位チーム(グループCは最下位2チーム)は下のリーグへ降格するという仕組。
グループステージに出場した各チームに賞金が分配され、グループAの国には150万ユーロ、グループBの国には100万ユーロ、グループCの国には75万ユーロ、グループDの国には50万ユーロが分配される。
*1ユーロ=162.6円/2024年10月20日現在
拝金主義への批判
ネイションズリーグの導入はUEFAが商業的利益を優先しているとの批判も多々ある。
サッカー界ではすでにクラブレベルでの試合数が急増し、各国のリーグ戦、カップ戦、欧州大会(チャンピオンズリーグやヨーロッパリーグ)などで選手たちは酷使されている。
そんな過密スケジュールの中でさらにネイションズリーグを追加することは、UEFAが収益を最大化しようとしているだけ。
特にテレビ放映権やスポンサー契約のために大会が作られたという見方も根強く、ファンや選手の利益よりも商業的な要素が優先されているとの批判が噴出している。
大会への疑問
ネイションズリーグは公式大会であるものの、ワールドカップやEUROに比べその価値や重要性がはっきりしていないという批判がある。
多くのファンやメディアは、ネイションズリーグが「親善試合を公式戦の肩書きに変えだけではないか?」という見方をしている。
特にワールドカップやEUROの予選が終わった後に行われるネイションズリーグの試合は、しばしば「無意味」とさえ呼ばれることもある。
このような曖昧な立ち位置が、ネイションズリーグへの関心を低下させている要因である。
選手の疲労が心配
そもそもなぜ開催となったのか?
背景にはW杯1年前に行われていた「プレW杯」があまり盛り上がらなかったと言われている。
盛り上がらなかったとは具体的に言うと儲からなかったからである。
プレW杯とは各大陸のチャンピオンが翌年に控えたW杯開催国に一同集結し開催されていた大会。
W杯1年前の国際大会と言うことで個人的には好きな大会であったが予想以上に収益が出なかったので廃止となってしまった。
で、お偉いさんたちが他の収益方法を考え出したのがUEFAネイションズリーグと言われている。
現場を指揮する監督達をはじめ一部の選手達からも不満が噴出している。
ヨーロッパ出身の選手達は休みなくプレーし続け日常は疲労の蓄積であろう。
ネイションズリーグが導入される前は代表チームの試合は主にワールドカップ予選やEURO予選、そして親善試合だった。
しかしネイションズリーグの追加により各代表チームの試合数が増加し選手達への負担が著しく増大。
特にクラブレベルでも多忙を極めるトップ選手にとって、ネイションズリーグはさらなる疲労や怪我のリスクを高める要因となってしまった。
まとめ:AFC(アジアサッカー連盟)もUEFAの真似をしなければいいが…
表向きにはヨーロッパの小国にとってチャンス到来で良いことだが金儲けの手段としか思えないスケージュールであることは明白。
特にプレミアリーグの選手達はただでさえ国内試合数が多いのにW杯予選とユーロ予選にネイションズリーグが加わると1年中ほぼ休みなく試合していることになる。
日本にとってはヨーロッパの列強国との親善試合はほぼ開催できない状態となり、A代表の強化という点でデメリットしかない。
懸念材料としてはアジアサッカー連盟がヨーロッパの真似をするのではないかと言うこと。
現状のUEFAネイションズリーグのスケジュールを見るとW杯予選とは被らないので決行可能。
アジアもスケジュールの隙間を突き強行スケジュールで同様の大会を主催するのではないかと心配である。
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