ユーロ2024もベスト4が出揃いいよいよ佳境を迎える。
スペイン対フランス、イングランド対オランダとヨーロッパを代表する強国揃いのある意味予想通りと言えば予想通りの顔ぶれだ。
ベスト8に残った国々(上記4カ国に加えて開催国のドイツ、ポルトガル、スイス、トルコ)を見て驚いたことはサッカー大国のイタリアがベスト16でスイスに0−2と負けベスト8にも残れなかったことである。
ユーロ前回王者はあっさりと決勝トーナメント1回戦で敗退してしまった。
イタリアは過去2大会連続でW杯本戦出場(2018年ロシアW杯、2022年カタールW杯)を逃している国。
実績を振り返るとW杯優勝4回、ユーロ優勝2回を誇るサッカー大国のプライドはユーロの前回王者としてギリギリ保たれていた感はあるが、スイスとの敗戦で完全に中堅国に落ちてしまった。
世界的名手がいなくなったイタリア代表
70年代のジャンニ・リベラ、80年代のパオロ・ロッシ、90年代のロベルト・バッジョ、2000年代のファビオ・カンナバーロと過去に4人のバロンドール受賞者を輩出しているサッカー大国。
ここでは60年代に活躍した元ユベントスのアルゼンチン出身オマール・シボリ(当時は二重国籍ありの時代)は除く
上記の4人以外でも昔から世界的名手が各ポジションにいたが今は?と聞かれればGKのドンナルンマ(現パリ・サンジェルマン所属)ぐらいだろうか。
また世界的にみても多くの名監督も輩出している国でプレッシングサッカーをミランに持ち込みチャンピオンズカップ連覇に導いたアリゴ・サッキ(元イタリア代表監督)、その後のミランを率いたファビオ・カペッロ(元イングランド代表監督)も国内リーグとチャンピオンズリーグを制している。
今年15回目のチャンピオンズリーグ制覇を成し遂げたレアル・マドリー監督のカルロ・アンチェロッティもイタリア人である。
国内リーグの各クラブは好調
代表チームとは対照的にイタリアのクラブチームは上昇気流に乗っている。
UEFAランキングでも2位になり1位のイングランドを脅かす存在だ。
UEFAランキングとはUEFAに所属する代表チームとクラブチームのそれぞれについて公式戦での成績をもとに算出されるランキングでのことである。
よくヨーロッパ5大リーグと評されることがあるが上から順番に現在はイングランド、イタリア、スペイン、ドイツ、フランスとなっている。
ちなみに今回のユーロ2024でベスト4に残ったオランダはフランスに次いで6位である。
代表チームは不調だがクラブチームは好調を維持しているイタリア。
キングカズこと三浦知良がセリエAでプレーしていた90年代のイタリアは代表チームもクラブチームもヨーロッパの頂点をぶっちぎりで突っ走っていた感はあった。
クラブチームはボスマン判決以降、実質外国人枠撤廃となり(イタリアでは昔は1試合3人の外国人枠があった)自国出身選手中心のチーム作りをしなくてもよくなり外国人助っ人が大幅に増えた。
そのことが代表チームの戦力低下に大きく影響しているかはわからないが現状代表チームは現在進行形で下降線を辿っている。
まとめ:2年後のW杯本戦出場も茨の道
現イタリア代表監督ルチアーノ・スパレッティは続投決定らしいがW杯ヨーロッパ予選はユーロ本戦以上にプレッシャーのかかる戦いと推測する。
3大会連続でW杯本戦不出場ともなれば一大ニュースだ。
ここ最近ではイングランドが94年アメリカW杯、フランスが90年イタリアW杯・94年アメリカW杯、オランダが2002年日韓W杯をそれぞれ本戦出場を逃しているがサッカー伝統国で3大会連続W杯予選敗退はない。
今秋から始まる2026年W杯ヨーロッパ予選のイタリアの再建チーム作りに注視していきたい。
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