Jリーグが開幕して早いもので1ヶ月が経過。
今回はJ1ではなくJ2の大宮アルディージャに注目。
2024年8月にオーストラリアの飲料メーカーのレッドブルに株式を譲渡。
2025シーズンよりRB大宮アルディージャとして活動。*チーム名・エンブレムも変更
頭文字の「RB」はドイツ語の『Rasen Ballsport(芝生の球技)』の略。
これはJリーグ史上初の海外資本によるクラブ買収で当時J3のクラブだったのでかなり話題となった。

ちなみに買収額は日本円で3億円と報道されている。
大宮アルディージャの設立と初期の歴史
1969年1月、日本電信電話公社の埼玉管内で「電電埼玉サッカーチーム」が結成。
その後、関東圏内の選手を加えて「電電関東サッカー部」となる。
1970年に埼玉県サッカー協会に登録し、1971年から埼玉県サッカーリーグに参加。
1974年に関東リーグに昇格後、翌年には埼玉県リーグに降格。
1979年に関東社会人サッカー大会で優勝し、再び関東リーグに復帰。
1985年、日本電信電話公社の民営化に伴い、チーム名が「NTT関東サッカー部」に改名。
1986年、関東リーグ2位となり地域リーグ決勝大会で勝ち進み日本サッカーリーグ(JSL)2部への初昇格を果たす。
1987年から1992年にかけて、チームはJSL2部に所属し、1993年からはジャパンフットボールリーグ(JFL)に参加。
1997年、佐々木則夫(後のなでしこジャパン監督)が監督に就任しチームのプロ化が加速。
1998年、埼玉県大宮市(現さいたま市大宮区)に本拠地を移転しチーム名を「大宮アルディージャ」に改名。
同年12月には、NTT東日本を中心としたNTTグループと関連企業18社の出資により、運営会社「エヌ・ティ・ティ・スポーツコミュニティ株式会社」が設立。
1999年、Jリーグが2部制を導入するのに合わせて、大宮アルディージャは旧JFLからJリーグに新規参加する8クラブの1つとして加盟。
この歴史は、電電公社のサッカー部から始まり、プロサッカークラブへの転換を経てJリーグ加盟に至るまでの大宮アルディージャの発展の軌跡を示している。
J2時代(1999-2004)
1999年、チームは序盤こそ首位争いをしていたが、5月に主力選手が事件に巻き込まれて引退を余儀なくされ、その後失速し最終順位は6位。
2000年には三浦俊也が監督に就任し、J2に降格した浦和レッズとの初のさいたまダービーが開催。
2001年、三浦体制2年目のチームは第11節から12連勝、第8節から17戦無敗という好調な時期もあったが、後半戦に主力選手の負傷などが重なり、最終的に5位フィニッシュ。
2002年は監督交代しJ1昇格を目指したがチームは年間を通じて4〜8位の間を行き来し昇格圏内に入ることなく6位で終える。
2003年、菅野将晃が監督に就任し序盤は好調だったものの、その後伸び悩み10月に菅野が退任。ゼネラルマネージャーの清雲栄純が監督を引き継いだが、最終順位は6位。
2004年、三浦俊也が再び監督に就任。チームは後半戦に13連勝を含む好調な成績を収め、最終的に2位でフィニッシュ。悲願のJ1昇格を果たす。

大宮アルディージャは、電電公社(後のNTT)のサッカー部を起源とし、1998年のプロ化を経て、1999年にJリーグに加盟。J2からのスタートで2004年にJ1昇格。その後はJ1とJ2を行き来する典型的な地方クラブ。
レッドブルが所有する世界のクラブ
レッドブル・グループは、世界各地でサッカークラブを所有・運営。
2025年現在、レッドブル傘下の主なサッカークラブは以下の通り。
- RBライプツィヒ(ドイツ)2009年、当時5部のSSVマルクランシュタットのライセンスをレッドブルが買収した上で新たに発足したクラブ。
- RBザルツブルク(オーストリア)2005年にレッドブルが買収。
- ニューヨーク・レッドブルズ(アメリカ)2006年にレッドブルが買収。
- RBブラガンチーノ(ブラジル)2019年にレッドブル・ブラジルと合併し2020年から現行名。
- RB大宮アルディージャ(日本)2024年8月株式100%を取得し2025年1月からチーム名を変更。
- FCリーフェリング(オーストリア)2012年6月USKアニフをレッドブル・ザルツブルクのセカンドチームとし名称もFCリーフェリングに変更。セカンドチームであるため、レッドブル・ザルツブルクと同リーグには所属できない。
また、レッドブルは最近、少数株式投資という新しい戦略も展開中。
- リーズ・ユナイテッド(イングランド):少数株式を取得
- パリFC(フランス2部):15%出資
さらに、2025年になりアトレティコ・マドリード(スペイン)と2年半のスポンサー契約を締結。

この多角的な戦略により、レッドブルは世界のサッカー界での影響力を拡大中。
今季の補強選手
変革の年となる今シーズン、やはり気になるのが新加入選手達。
昨シーズンのJ3では開幕から好調を維持し25勝10分け3敗で2位に勝ち点12差をつけての優勝。
1年でのJ2リーグ復帰を決めたRB大宮は勢いをそのままJ1復帰を目指す。
昨シーズンにチームトップの10ゴールを記録した杉本健勇が完全移籍に移行。
京都サンガF.C.から豊川雄太、横浜FCからカプリーニやガブリエウといった実力者を獲得。
その他の主な補強選手は以下の通り*数字は背番号 https://www.rbomiya.com/
・14 MF 泉柊椰(完全移籍移行/神戸)
・41 MF 谷内田哲平(完全移籍加入/京都)
・45 GK 坪井湧也(期限付き移籍により加入/神戸)
・48 FW 磯﨑麻玖(新加入/大宮ユース)
・15 MF 中山昂大(完全移籍加入/東洋大)
・44 DF 福井啓太(新加入/筑波大)

J3を制したメンバーをベースにJ1でのプレー経験がある選手を数名補強し、若手の育成にも力を注ぎ戦っていく意図が見える。
J1でさいたまダービーを早く観たいファンは多いはず。
まとめ:アジアにおいて欧州のPSGやマン・Cのような超ビッグクラブになれるか?
新たな船出となった2025年のシーズンはクラブにとって分岐点となる年。
将来日本、アジアで絶対的な実力・知名度の高いビッグクラブに成長すれば、今後日本のクラブ運営にも多大な影響を及ぼす買収劇となる。
そうなるとオリジナル10(Jリーグ開幕時の10クラブの事)のクラブも海外企業への身売りが起こる可能性大。
それはそれで少し寂しい気もするが世界のトレンド、特にヨーロッパでは普通に起きていること。
イングランドのマンチェスター・U(アメリカ資本)やイタリアのACミラン(アメリカ資本)などはその最たる例。

果たして秋には無事J1復帰を決めているか?
今回の記事が大宮ファンにとって参考になれば嬉しいです。
ご意見ご感想などあればお聞かせください。
J2の最新情報はJリーグ公式HPからチェックしてみて下さい。

*以下2025シーズンの第5節を終えてのJ2順位
順位 | チーム | 試合数 | 勝ち | 引き分け | 負け | 得失点差 | 勝点 |
1 | 千葉 | 5 | 5 | 0 | 0 | +11 | 15 |
2 | 大宮 | 5 | 4 | 0 | 1 | +6 | 12 |
3 | 長崎 | 5 | 3 | 2 | 0 | +3 | 11 |
4 | 富山 | 5 | 3 | 0 | 2 | +3 | 10 |
5 | 磐田 | 5 | 3 | 0 | 2 | 0 | 9 |
6 | 今治 | 5 | 2 | 2 | 1 | +3 | 8 |
7 | 仙台 | 5 | 2 | 2 | 1 | +2 | 8 |
8 | 徳島 | 5 | 2 | 2 | 1 | +2 | 8 |
9 | 藤枝 | 5 | 2 | 2 | 1 | +1 | 8 |
10 | 山形 | 5 | 2 | 0 | 3 | +1 | 6 |
11 | 水戸 | 5 | 1 | 3 | 1 | 0 | 6 |
12 | 大分 | 5 | 1 | 3 | 1 | 0 | 6 |
13 | 秋田 | 5 | 2 | 0 | 3 | -3 | 6 |
14 | 山口 | 5 | 1 | 2 | 2 | 0 | 5 |
15 | 甲府 | 5 | 1 | 1 | 3 | -3 | 4 |
16 | 熊本 | 5 | 1 | 1 | 3 | -4 | 4 |
17 | 鳥栖 | 5 | 1 | 1 | 3 | -4 | 4 |
18 | いわき | 5 | 0 | 3 | 2 | -4 | 3 |
19 | 札幌 | 5 | 1 | 0 | 4 | -7 | 3 |
20 | 愛媛 | 5 | 0 | 1 | 4 | -7 | 1 |
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