国内タイトル獲得したクラブはJ1リーグが神戸、ルヴァンカップが福岡、天皇杯が川崎Fとすべて異なるクラブとなった。
今季を振り返り思うのは神戸がようやく初のリーグ制覇、アビスパ福岡が初タイトルと歴史的なシーズンとなったのではないか?
国内タイトルについて
神戸のリーグ初制覇
ルヴァンカップ、天皇杯とあるがやはり話題としては一番大きく取り上げられている感はあった。
今季開幕で30年を迎えたJ1リーグの年間順位を見て改めて思うのはビッグクラブがまだ存在していないということ。
チーム | 勝 | 分 | 負 | 得失点差 | 勝点 | |
1 | 神戸 | 21 | 8 | 5 | +31 | 71 |
2 | 横浜FM | 19 | 7 | 8 | +23 | 64 |
3 | 広島 | 17 | 7 | 10 | +14 | 58 |
4 | 浦和 | 15 | 12 | 7 | +15 | 57 |
5 | 鹿島 | 14 | 10 | 10 | +9 | 52 |
6 | 名古屋 | 14 | 10 | 10 | +5 | 52 |
7 | 福岡 | 15 | 6 | 13 | ー6 | 51 |
8 | 川崎F | 14 | 8 | 12 | +6 | 50 |
9 | C大阪 | 15 | 4 | 15 | +5 | 49 |
10 | 新潟 | 11 | 12 | 11 | ー4 | 45 |
11 | 東京 | 12 | 7 | 15 | ー4 | 43 |
12 | 札幌 | 10 | 10 | 14 | ー5 | 40 |
13 | 京都 | 12 | 4 | 18 | ー5 | 40 |
14 | 鳥栖 | 9 | 11 | 14 | ー4 | 38 |
15 | 平塚 | 8 | 10 | 16 | ー16 | 34 |
16 | G大阪 | 9 | 7 | 18 | ー23 | 34 |
17 | 柏 | 6 | 15 | 13 | ー14 | 33 |
18 | 横浜FC | 7 | 8 | 19 | ー27 | 29 |
そもそもビッグクラブは必要かどうかという議論は置いといてJリーグはどんぐりの背比べ状態は今も継続中である。
毎年ここまで優勝争いが予想しにくい国内リーグも世界的に見て稀である。
ただ、節目の30年を終えて少しずつではあるが上位に並ぶ顔ぶれも定着化してきた。
その筆頭が川崎フロンターレであろう。
今季はリーグ戦8位と振るわなかったものの最後の最後で天皇杯獲得と意地を見せた。
毎年のようにレギュラー選手を放出しながらもリーグ戦上位を維持&タイトル獲得には拍手を送りたい。
クラブ運営における費用対効果でいえばリーグ随一のクラブと言えよう。
一方の優勝した神戸は費用対効果が悪い典型的なクラブで今季優勝を逃したら親会社の楽天は撤退するのではとの噂も流れたほど。
クラブ創設以来獲得タイトルはこれまで天皇杯のみと寂しい実績であったが今季J1リーグ制覇を成し遂げたところでいよいよアジア・チャンピオンズリーグ、来季のACL獲得と一気にいきたいところ。
そしてここに来て面白いのがアビスパ福岡。
最終的にリーグ戦を終えての順位は過去最高の7位と大健闘。
おまけに今季は初タイトル獲得と福岡は大いに盛り上がったのではないか。
長谷部監督は一躍有名となり来季以降の采配に注目である。
川崎Fと同様に近年日本サッカー界を牽引してきた横浜FMは終盤の直接対決であるホームで対神戸戦の敗戦が響いた格好となった。
最終的に勝ち点差は7と拡がってしまったがそこまでの差はない気がする。
今季を見れば選手層の厚さでは横浜FMのほうが上回っていた。
マリノスとホームタウンが同じ横浜FCは残念ながらJ2降格となってしまった。
キングこと三浦知良が在籍しているクラブという認識しかないファンの方は多いのではないか?
残念ながら現在の横浜FCにはマリノスのライバルチームという感じは全くしない。
しばらくはJ2が主戦場となりそうな予感がする。
今季注目選手
やはり今季のMVP&得点王に輝いたヴィッセル神戸の大迫勇也であろう。
これだけの活躍ながら代表には全く呼ばれないのが不思議でならない。
現在33歳という年齢がそうさせるのか森保監督の構想外となっている。
Jリーグで活躍した選手はA代表に呼ばれるようであってほしいので来年のアジアカップには復帰を果たしてほしい選手である。
次に紹介したいのがこの選手、柏レイソルの細谷真大である。
パリ五輪世代の選手ではあるが先月行われた2026W杯アジア予選の対シリア戦で記念すべきA代表初ゴールも記録している期待の若手である。
現在22歳とまだまだ伸びしろ十分な将来楽しみな選手である。
プレーの特徴としては本格派のセンターフォワードではなくウイング系のFWではあるがコンタクトプレーが強い。
今季もちろんチームトップの得点数を誇る。
今夏ニッパツ三ツ沢球技場での対横浜FC戦を観戦していると相手ディフェンダーに当たり負けしない体幹が強いと思わせるシーンは試合中何度も目にする機会があった。
今後体の大きい海外のDF相手にもフィジカルが通用し順調に得点できるウイング系FWとして成長すれば2、3年後にはヨーロッパのクラブからオファーが届くであろう。
最後に紹介したいのがこの選手、愛媛FCのディフェンダー森脇良太である。
この選手、何がすごいかと言われればJ1、J2、J3と異なる3つのカテゴリーでリーグ優勝しているという経歴の持ち主。
Jリーグ開幕して30年という年月が経つとこのような稀有な存在も生まれてくる。
これはこれで大変なレアケースとして紹介したい。
現在37歳といつ引退してもおかしくない年齢ではあるが過去にはA代表に3試合出場してる生けるレジェンドである。
このような選手にもメディアはもっとスポットライトを当ててほしいものである。
まとめ:国内リーグのレベルアップに必要なこと
優秀な選手に海外流出をさせないことが一番の特効薬となるであろうが今のこのご時世ではそうもいかない。
ヨーロッパへ渡ることが当たり前になってきている昨今どうすればいいか?
現状安く買い叩かれている(もしくは高校卒業と同時にヨーロッパへ渡るケースも出てきているので移籍金なしで契約成立となっている)のでJの各クラブが潤うようにならなければJリーグの発展もない。
高くなくとも適正価格での移籍交渉ができているのかどうか疑問である。
サウジアラビアの爆買いで話題をさらった今夏の移籍も蓋を開けてみればサウジアラビア国内リーグの観客が少ないと海外メディアが報じている。
中国スーパーリーグも以前のような爆買いはされておらず給料未払いの選手も出てきている。
では日本はどうかといえば円安も相まって優秀な外国人選手が日本でプレーしにくい状況にある。
日本が強くなるためには他のアジア諸国と一緒に強くならないといけない。日本だけ強くなっても意味がない。
日本だけで考えるというよりアジア全体でレベルアップするにはどうすればよいかという時期に来ている。
アジアが強くなれば日本もそれこそW杯優勝も決して夢物語ではない。
J開幕30周年を終えて思ったことである。
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